成長著しいインド市場、検索エンジン経由でアプローチする方法を解説
約14億人の人口を抱えるインド。人口が多いうえに消費が拡大傾向にあり、日本を訪れるインド人観光客も増加中であることから、日本企業にとってインドは世界で最も有望なマーケットの1つと言えます。
当記事では、インド市場における検索エンジンのシェアやインド向けコンテンツマーケティングの展開方法など、「検索エンジン」を通じてインド市場にアプローチする方法について解説します。
1. インドにおけるインターネット普及率
インド電気通信規制庁(TRAI)によれば、インドの2024年3月31日時点のインターネット加入者数はのべ9億5440万人となっており、インターネット普及率は7割弱となっています。日本のインターネット普及率は約9割であり、先進国に比べるとインドのインターネット普及率はまだ高くはありませんが、逆の見方をすれば更なる成長の余地があるということです。
インドでは特にスマートフォンを中心としたモバイルインターネットの利用が急増しており、検索エンジンを活用したコンテンツマーケティングはインドの消費者に効率良くリーチするための重要な施策の1つとなっています。
2. インドにおける検索エンジン市場の実態は?
2023年6月時点でのデータによれば、インドの検索エンジン市場ではGoogleのシェアが96%以上に達し、消費者の検索行動を左右する圧倒的な影響力を持っている状況です。他の検索エンジンのシェアはBingが1.64%、DuckDuckGoが0.2%ほどに過ぎず、Googleがインドの検索エンジン市場を支配していると言えます。
Googleが市場を支配するというインドの状況は日本とほぼ同様であり、日本でオウンドメディアによるコンテンツマーケティングを行っている企業にとっては、これまでと同様の手法で、インド向けにも展開できることを意味します。しかし、インドの場合は日本に比べて言語の種類が多いことや、法令の違いもあるため、注意すべき点も存在します。
3. インドにおけるインターネット関連の法律について
インターネットに対する法律は国によって大きく異なり、厳しく規制されている国もあれば、比較的自由な国もあります。インドの場合は中国のような厳格な法規制は存在せず、一般的な法規制の範囲にありますが、コンテンツマーケティングを展開するうえでは、「情報技術法(IT法)」や「デジタル個人情報保護法」の遵守が必要となります。
また明文化された法律はなくとも、インド特有の文化や宗教的にセンシティブなテーマは避けるなど、宗教的・文化的な配慮も必要です。
4. インド向けに公開するコンテンツで使用すべき言語は?
インドは多言語国家であり、公的に認定された「指定言語」だけでも22種類も存在します。国が定めた連邦公用語は「ヒンディー語」ですが、インドの公用語の1つである「英語」はビジネスや教育の分野で広く使用されており、特に都市部では英語の使用率が高いと言われています。
インド人ユーザーに広くリーチが可能で、なおかつコンテンツの提供や保守・管理の容易さも含めて考えると、英語でのサイト構築がインド向けコンテンツマーケティングの基本となります。
5. インド向けのウェブサイトはどこでホスティングすべき?
インドで圧倒的なシェアを獲得している検索エンジンがGoogleである以上、インド向けのSEOはGoogleの仕様に則って展開すべきです。Googleはターゲットのエリアとサーバーの場所の物理的な近さをシグナルの1つとしていると言われています。英語は世界中で使用されている言語であるため、インド向けに英語でコンテンツを作成しても、インド以外の国の検索エンジンに表示されてしまう可能性は排除できません。
それゆえ、インド向けのコンテンツを英語で公開する場合は、やはりインド国内にてホスティングするのがベターです。そのほかGoogleは、ccTLD(国別トップレベルドメイン)でもコンテンツとエリアを紐づけているため、ドメインはインドの国別トップレベルドメインである「.in」を使用するのが間違いなく、別の国のドメインである「.jp」などで公開することは避けるべきです。