中国の検索エンジン市場の特徴を解説!各検索エンジンの特徴も
日本を含め、世界の検索エンジン市場は、PC、スマホの双方で「Google一強」の状況が続いており、Googleに最適化することが「SEO対策」と言っても過言ではありません。
一方、Googleが2010年に中国市場から撤退して以降、中国ではGoogleにアクセスできない状況が続いています。Googleが去った中国の検索エンジン市場では、百度(Baidu)や360搜索(haosao)といった中国企業のほか、マイクロソフトのBingなどが主導権をめぐって激しく競い合う構図が続いています。
中国においても検索エンジンはマーケティングにおいて重要なツールです。中国で越境ECやコンテンツマーケティングなどを効果的に展開するためには、ユーザーに利用されている主要な検索エンジンの特徴を理解し、活用することが重要です。
本記事では、中国の各検索エンジンのPCおよびモバイルにおけるシェアやアルゴリズムの特徴について解説します。
1. 百度(Baidu)
2024年10月時点の百度のシェア
・PC:32%
・モバイル:65%
出典:statcounter.com
百度(Baidu、バイドゥー)は中国で広く利用されている検索エンジンの1つです。特にモバイルの検索エンジン市場においてトップシェアを獲得していることから、コンシューマー向けのコンテンツマーケティングを展開する場合は、百度向けの最適化はもはや「必須」です。
百度のアルゴリズムの特徴
百度は中国国外にホスティングされているウェブサイトよりも、中国国内にホスティングされているICPライセンス取得済みの中国語サイトを優先して上位表示すると言われています。百度で上位表示を狙う場合、ICPライセンス取得のほか、モバイル最適化やオリジナルコンテンツの提供、質の高い被リンクを獲得することが重要となります。
2. Bing(必应)
2024年10月時点のBingのシェア
・PC:50%
・モバイル:22%
出典:statcounter.com
「Bing(ビング、中国名:必应)」は米マイクロソフトが運営する検索エンジンであり、日本でも利用されています。中国ではPC向けで最大のシェアを獲得していることから、ビジネスユーザー向けのマーケティングを行う場合はBingへの最適化が必須です。
Bingのアルゴリズムの特徴
Bingは中国市場向けに調整したアルゴリズムを使用していると言われますが、高品質なコンテンツとユーザーエクスペリエンスを重視する姿勢は日本向けのアルゴリズムと同様であり、被リンクの質と量がランキングに影響すると言われます。
百度をはじめとする中国系検索エンジンとは異なり、BingはICPライセンスの有無は上位表示の必須条件ではないため、中国語で質の高いコンテンツを作ることができれば、香港サーバーなどからでも上位表示を狙えるのが魅力です。
3. 360 Search(360搜索)
2024年10月時点の360 Searchのシェア
・PC:12%
・モバイル:- %
出典:statcounter.com
360搜索は中国の奇虎科技有限公司が提供する検索エンジンです。ユーザーの安全性とプライバシー重視が評価され、PC向けで3位のシェアを獲得しており、特に若年層やビジネスユーザーに支持されていると言われています。
360搜索のアルゴリズムの特徴
中国企業による検索エンジンのため、やはり中国国内にホスティングされているICP取得済みのサイトが優遇される傾向にあります。
4. Sogou(搜狗)
2024年10月時点のSogouのシェア
・PC:1.5%
・モバイル:2.4%
出典:statcounter.com
搜狗(Sogou)は中国のIT大手「テンセント」が提供する検索エンジンです。「微信(WeChat)」や「QQ」など、テンセントのサービスと連携しているのが最大の特徴で、中国で最大のシェアを獲得しているチャットアプリであるWeChatのコンテンツを検索することも可能です。
搜狗のアルゴリズムの特徴
他の中国製検索エンジンと同様、中国語かつICP取得済みのサイトが優遇される傾向にあるほか、SNSのコンテンツが上位表示される傾向にあります。
5. その他
上記4種類の検索エンジンのほかにも、中国では「神馬(shenma)」や「YANDEX(ロシア系の検索エンジン)」がわずかながらシェアを獲得しています。中国向けにコンテンツマーケティングや越境ECを成功させるためには、BingやBaiduを中心に、ターゲットとするユーザーに応じて360搜索やSogouを活用するのが有効です。