中国のウェブマーケティング事情を解説!独特すぎるが「チャンスも大きい」
海外向けのビジネスに挑戦するとき、進出先として真っ先に候補に挙がる国の1つが「中国」です。
中国は政治的にも商習慣的にも日本とはまったく違う国ではあるものの、日本の隣国という物理的な近さのほか、世界第2位の経済規模と旺盛な消費はやはり魅力的です。
弊社では越境ECやSNSマーケティングを通じて、中国向けのビジネスに参入したいというご相談を数多く頂きます。この記事では、越境ECなどで中国市場への参入を検討している方々のために、中国のウェブマーケティング事情について詳しく解説します。
中国のインターネット利用者数は10億人超
世界第3位の国土面積を持つ中国では、一部の僻地でネット接続環境が整備されていない場所があると言われているものの、僻地以外ではネット環境は整備されており、2023年のインターネット利用者数は10億人を優に超えています。
総務省によれば、日本の2023年におけるインターネット利用者数は1億790万人ほどだったため、中国のネット人口は日本の約10倍の規模となっています。
中国のEC市場規模は日本の15倍以上!
ネット人口は日本の約10倍規模の中国ですが、ECの市場規模については「日本の15倍以上」に達しています。
経済産業省によれば、日本の2023年におけるEC市場(B2C)規模は世界全体の3.4%にとどまったのに対し、中国の市場規模は世界全体の51.3%に達しました。
中国人消費者はどのような商品であってもオンラインで買い物することを厭わない傾向にあり、越境ECも積極的に活用しています。
日本から中国向けの越境ECの市場規模は、2023年の時点で前年比7.7%増の2兆3401億円に達しており、中国向けの越境ECに大きなチャンスが存在すると言えそうです。
SNSなしで中国向けのマーケティングは成立しない
中国向けのウェブマーケティングを行ううえで、必ずと言って良いほどお世話になるツールが「SNS」です。中国のSNSは中国人の消費行動と密接に関連しており、SNSなしで中国向けのマーケティングは成立しないと言っても良いほどです。
また中国からはFacebookやInstagram、X(Twitter)といったグローバルSNSにアクセスできないぶん、WeChat(微信)やWeibo(微博)、Douyin(抖音)、RED(小紅書)といった中国独自のSNSが普及しています。
SNSプラットフォームが異なるため、日本で確立されたSNSマーケティングの手法は中国では通用せず、こうした独特の環境も中国市場への参入の敷居を高くしています。
中国の「ネット事情」の特徴は?
日本のインターネットは比較的自由で、開かれた環境にあるのに対し、中国は「実名制SNS」や「検閲」などが存在する点で日本と対照的です。
インターネットに対する厳格な規制
中国ではグレートファイアウォールと呼ばれるシステムを用いて、ネット上の情報に対する検閲を行っており、社会問題や政治にかかわる「敏感な話題」は規制の対象となっています。中国人ユーザーは気になることはSNSのダイレクトメッセージ(DM)やコメントを通じてどんどん質問をしてきますが、ユーザーとのやり取りのなかで「敏感な話題」には触れないよう配慮する必要があります。
また、上記のFacebookやInstagram、XといったSNSだけでなく、GoogleやYouTubeもアクセス制限の対象となっているのが中国の特徴の1つ。アクセス制限の結果として、中国では独自のWebサービスが登場し、発展してきたという背景があります。
中国人消費者の特筆すべきインサイト
日本と中国では「消費者のネット上の行動」も大きく異なっています。
たとえば日本では根付いているとは言えない「ライブコマース」ですが、中国では極めて有力な販売方法として知られています。
中国で人気のキーオピニオンリーダー(Key Opinion Leader、KOL)がライブコマースを通じて、わずか3ヶ月で500億円もの売り上げを叩き出したこともあるほどです。
また、口コミの影響力が非常に強いのも中国の特徴です。中国人消費者は広告や企業の公式発表をあまり信用せず、逆にクチコミやレビューを信用する傾向にあると言われています。
小紅書(RED)や抖音(Douyin)といったSNSでの口コミやレビューが購買行動を大きく左右するため、中国で越境ECやSNSマーケティングに取り組む場合はクチコミ対策が必須です。一方、ユーザーからの問い合わせやコメントに丁寧に対応し、信頼を獲得できれば、非常に大きなリターンを得られるのが中国向けウェブマーケティングの魅力の1つです。